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FAQ(よくある質問)

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よくある質問

 

Q.内縁解消時の財産分与は?

内縁関係でも離婚と同じように財産分与請求は可能です。

これが争われた事例を紹介します。

福岡高裁平成30年11月19日決定です。

動画での解説はこちら。

内縁関係と財産分与制度

内縁関係の解消に伴い財産分与が争われたケースです。

争点としては、
内縁関係であったかどうか、
財産分与ができるのか、その金額はいくらかなどが挙げられました。

法律婚でもよく出てくる争点です。

 

まず内縁関係は、戸籍上は、夫婦ではないものの、実態が夫婦と同じような関係を、実態に合わせて保護しようという制度です。

なるべく、法律上の夫婦と同じような保護を与えようというのが裁判例の動きです。

 

財産分与制度は、戸籍上の夫婦が離婚で別れる際に、結婚期間中に築き上げた財産を2人で分ける制度です。

この財産分与制度は、内縁関係でも類推適用して認めるのが、今の実務です。

 

 

争点

 

今回の請求は、内縁の妻から夫に対するものでした。

請求を受けた夫が争い、争点となったのは次のような点です。

・そもそも内縁関係ではない

・特有財産である

婚姻前から自分が持っていた財産だとか、婚姻関係とは違うところから来た財産、例えば相続財産などという主張

・分与割合

財産分与では原則2分の1ずつというルールがありますが、財産形成への貢献度が大きく違う場合、この割合が変動することがあります。

一方の資格や能力の貢献度が大きい場合には変動することも多いです。医師の離婚などで変わることが多いです。

・財産評価

対象財産をいくらと評価するかという問題です。

 

これらの争点から、妻側は2億7000万円の請求であったところ、夫側は-1億円であり、財産分与するものはないという主張でした。

言い分が真っ向から食い違っています。

 

内縁関係紛争の経緯

2人は、交際後、同居を開始。

平成7年5月頃から同居開始。

妻は、平成25年11月22日、自宅から完全に退去。

同居開始時、妻は57歳、夫は60歳。
夫は、不動産会社を経営。

妻は、同居前に自己破産をしていたというものです。

 

内縁関係の認定は?

夫は、そもそも内縁関係ではなかったという主張をしています。

昔は、交際にあったものの、単に同居していただけだという主張です。お金がないので、住ませてあげていただけだという主張です。

妻は、この主張に対して、夫の子供たちが出てきて、子どもたちから追い出されたという主張をしています。

内縁関係と認められるには、夫婦としての実質があったといえるかがポイントになります。

同居よりも強く、婚姻意思に基づいた共同生活があったといえるかどうかです。

 

裁判所は、約3年間の男女交際後に、当時の自宅で同居を開始したこと、新居への転居を経て同居生活を継続したこと、その同居期間中、双方の子や孫親族らと交流していたこと、同じ団体に所属して共に活動していたこと、旅行等にも行っていたことなどから、夫婦関係に相当する社会的実体を備えていたものとして内縁関係の成立を認めています。

同居期間の長さも影響しているでしょう。

 

 

財産分与の対象財産と特有財産は?

特有財産の争点は、もともと同居前から持っていた財産を売って、他の財産に換わったという主張でした。

婚姻前に持っていた財産については、離婚の場合でも特有財産として、財産分与の対象外となります。

これと同じ、一体化しているということが分かれば、形を変えても、特有財産と判断されることも多いです。

今回、このような財産も財産分与の対象として主張されていたため、金額に大きな差が出ていました。

 

裁判所は、他の財産に換わったことが確認できる財産については、同居中に取得した財産であっても特有財産であるとの主張を認めています。

「上記各土地の売却と近接した時期である同年12月5日に売買により相手方名義・管理の資産1-1ないし1-5を取得していること、○県○課○第1係の当時担当者であった○○が、相手方が○県に売却した代金が直接相手方名義・管理の資
産1-1ないし1-5の売主への代金として支払われていると述べていることからすると、相手方は、内縁関係成立前から
所有していた原審判別紙物件目録記載1ないし3の各土地の売却に伴い、その代替地として、相手方名義・資産の資産1-1ないし1-5記載の各土地を取得したと認められるから、同各土地は相手方の特有財産と認めることが相当である」としています。

なお、夫主張の-1億円という債務も、特有財産に関する債務として、除外しています。

 

財産分与対象財産の評価は?

財産分与では、評価も争われます。

もともと、妻側は、2億7千万円という主張をしていました。

これは、対象財産のなかに、何百万円もする動産や絵があるということを前提としていました。

夫側は存在しないと主張する財産もありました。

存在しても、その価値については争いがあり、鑑定をするなどして評価しています。

 

裁判所は、財産の評価額を9000万円と認定しています。

 

鑑定結果について、妻側は争っていたのですが、裁判所は、資産の評価額について当事者間に対立がある中で.抗告人の申立てにより、鑑定が採用されていること、鑑定人は宣誓の上鑑定していることからすると、鑑定人の鑑定は信用できるというべきであるとしています。

妻の主張は自己の評価額よりも低い評価額となったことについて不満を述べるにすぎず、抗告人の主張を採用することはできないと結論付けています。

なお、妻は、相手方名義・管理の貸産5-1について、相手方提出の見積書でさえ400万円と評価されているのに.鑑定意見は250万円にとどまっているなどと主張するが、相手方の見積書の評価を争い、鑑定をした結果、 同見積書の評価額よりも低い評価額が出たにすぎず、これをもって鑑定人の鑑定が信用できないといえるものではないとしています。

 

結果論からすれば、夫が出した見積のままのほうが高かったという財産もあったことになります。費用をかけて鑑定をしたところ、より低い額になってしまったという財産もあるようです。

 

財産分与の分与割合は?

財産分与の割合に関していうと、通常2分の1ルールがあり、そこから修正がされるかどうかがポイントとなります。

 

今回の裁判所の判断は、修正を加えて妻側の取り分を3分の1としました。

この2分の1ルールに、変更が加えられるのは、資格や能力など、片方の配偶者の貢献度が特に強いと判断される場合です。

また、財産分与の対象財産が多いとか、金額が通常よりも高くなっている場合には、どうしてそのような財産が築かれたのか、どちらかが特別な貢献をしているのではないか、として修正が入りやすくなります。

 

妻は、相手方が健康を維持し能力が発揮できるよう多大な貢献をしてきたなどの事情に照らせば、分与割合はそれぞれ2分の1とすべきであり、少なくとも抗告人の分与割合を4割とすべきであると主張していました。


しかし、財産分与における夫婦財産の清算においては、婚姻後に形成した財産について、双方の財産形成に対する経済的貢献度・寄与度を考慮し、実質的に公平になるように分配すべきものであり、これは内縁関係においても同様に考えられるとしました。
そして、抗告人及び相手方の内縁関係が成立する前から、相手方は、不動産賃貸業を営む株式会社の代表取締役として.長年にわたって同社の経営に携わるなどして、相当多額の資産を保有していたこと、他方で、抗告人は同居前に破産申立てをするなど、内縁関係が成立する時点において目立った資産を保有していなかったこと、また、平成7年5月頃に内縁関係が成立した時点で、抗告人は57歳、相手方が60歳であったことに照らすと、原審判が説示したとおり、財産分与の対象財産の形成及び増加等について、相手方の保有資産及び長年築いてきた社会的地位等による影響や寄与が相
当程度あったと認められるというべきであるとしています。

これによれば、原審が説示したとおり、分与割合について、抗告人を3分の1、相手方を3分の2と認めるのが相当であると結論づけています。

 

 

 

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