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FAQ(よくある質問)

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よくある質問

 

Q.不貞現場の写真撮影は違法になる?

不貞の証拠としてホテルの部屋に入る写真を撮られたことを違法だと主張して、300万円の損害賠償請求を探偵に対してした事件があります。しかし、この請求は否定されています。探偵の行為は違法でないという結論でした。

東京地方裁判所平成29年12月20日判決です。

 

事案の概要

原告が、探偵会社を訴えた事件です。

探偵会社の調査員が原告を尾行等し、ホテル内の客室階において客室に入る原告を撮影した行為が違法であると主張。

不法行為賠償金300万円を請求した事件です。

 

被告は、企業信用調査業務、個人信用調査業務などを目的とする株式会社。

被告は、原告の妻から原告の追跡調査を依頼されました。

被告の調査員は、2回にわたり、原告に対する尾行、張り込み調査を行い、その結果について、原告を撮影した写真付きの調査報告書を作成し、原告の妻に交付したものです。

 

被告の調査員による撮影行為は違法か

原告は「個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有するものというべきである」という判例(最高裁昭和44年12月24日大法廷判決)の趣旨に即せば、本件のような、通常、宿泊客などの第三者のプライバシー保護の観点から、立入りが禁止されているホテル内の客室階まで原告を尾行し、原告が滞在する客室を特定し、入室する様子を撮影することは明らかに原告の肖像権、プライバシー権を侵害し、不法行為上の違法行為となることは明白であると主張。

このような被告の調査員の違法行為について、被告は使用者責任を負うと主張しました。

被告の調査員の違法行為により原告は著しい精神的苦痛を受けたとして、これ慰謝する金額として300万円は下らないと損害賠償請求をしたものです。

 

これに対し、被告は、調査員による調査、撮影行為は、探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)4条1項、2条1項・3項に照らし、正当な業務行為であると反論。

ホテルの客室階は、利用者以外の入場が禁じられているスペースではなく、宿泊客を訪問する宿泊客以外の者が出入りするなど、公共的スペースであるし、原告の不貞行為を調査対象とする以上、客室階での張り込みや写真撮影などは、証拠収集の必要性からみても、当然に許容されると主張しました。

 

写真撮影が違法になるかどうかの基準

裁判所は、「人の容ぼう等の撮影が正当な取材行為等として許されるべき場合もあるのであって、ある者の容ぼう等をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは、被撮影者の社会的地位、撮影された被撮影者の活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影の態様、撮影の必要性等を総合考慮して、被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである」(最高裁平成17年10月11日第一小法廷判決)ところ、同判例の趣旨に鑑みると、本件のような不貞行為に係る撮影行為に当たっても、撮影場所、撮影目的、撮影態様、撮影の必要性等を総合考慮し、かつ、当該行為の根拠となる法令がある場合には同法令も踏まえ、被撮影者の人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを検討することとなると判断基準を示しました。

 

そこで、検討すると、いわゆる探偵業を営む被告の調査員の行為は、原告の妻の依頼により、原告の不貞行為に関する調査をするものであって、探偵業法2条1項の「他人の依頼を受けて、特定人の所在または行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務」である「探偵業務」の一環として行われたものであり、同法所定の調査や資料収集に必要な行為については許容されていると指摘。

この点、本件の調査の目的は、原告の不貞行為に係る資料の収集ということにあって、そのような目的に照らせば、原告の不貞行為を示す客観的な資料として、原告であることを特定でき、かつ、原告が不貞行為をしていることを推認させるような場面を撮影する必要性は高いというべきであるとしています。


そうすると、被告の調査員が、原告であることを特定できる方法により、原告がホテルのロビーに女性といる場面や原告が滞在している客室に女性とともに入室する場面を撮影することの必要性は認められるとしました。


また、その撮影場所・態様は、被告の調査員が、ホテルのロビーや客室階まで原告を尾行、張り込みして、上記場面を撮影するというものであり、探偵業法所定の探偵業務の範囲に含まれているし、第三者が訪れるホテルのロビーや客室階という場所での撮影行為であって、ホテルや原告の不貞行為と関係があると認められない第三者の承諾が得られない可能性があるとしても、原告や不貞の相手方と目される第三者との関係において、著しく不相当であるとまでいうことはできないとしました。


結論:探偵の撮影は違法でない

被告の調査員による原告の撮影行為は、原告の人格的利益を侵害するものであるにせよ、社会生活上受忍の限度を超えるものであるとはいえず、違法性はないものというべきであるとしています。

原告の請求は理由がないから棄却という結論です。

 

不貞問題に限らず、裁判で探偵の報告書や写真が、自身にとって不利な証拠として提出されると、プライバシーの侵害ではないか、と文句を言う人は多いのですが、法的には、これを違法だと損害賠償請求できるケースは極めて限られているでしょう。

 

 

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