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FAQ(よくある質問)

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よくある質問

 

Q.財産分与で第二次納税義務を負担する場合とは?

離婚に伴う財産分与で後から税金に関する通知がされることもあります。

 

財産分与と税金に関する紛争が起きるのです。

国税徴収法39条の適用があるかが争われた事件があります。

財産分与が 「著しく低い額の対価による譲渡」になるか、離婚した妻が「特殊関係者」になるかが争われました。

東京高裁平成30年2月8日判決です。

 

事案の概要

原告・控訴人は、結婚していた夫婦のうち妻。

夫婦は、平成12年5月下旬頃に離婚届を作成。

妻へ宅地を財産分与することとなり、所有権移転登記申請を司法書士に委任。委任状を同月23日付で作成。
同月26日に離婚の届出。

同月30日に司法書士により登記申請。

 

平成24年2月、東京国税局長は、滞納国税を有していた夫から財産分与を受けた妻に対し、国税徴収法39条(平成28年法律15号による改正前)に基づく第二次納税義務告知処分を行いました。

 

国税徴収法の規定は次のとおり。

第三十九条 滞納者の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合において、その不足すると認められることが、当該国税の法定納期限の一年前の日以後に、滞納者がその財産につき行つた政令で定める無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分に基因すると認められるときは、これらの処分により権利を取得し、又は義務を免かれた者は、これらの処分により受けた利益が現に存する限度(これらの者がその処分の時にその滞納者の親族その他の特殊関係者であるときは、これらの処分により受けた利益の限度)において、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。

現在は、特殊関係者について、同族会社など政令で定めるものと改正されています。

 

税金の滞納者がいる、無償譲渡や安すぎる財産譲渡がある、それで払えなくなっているという場合には、財産を取得した人が第二次納税義務を負うという規定です。

その範囲が、親族などの特殊関係者かどうかで変わるというものでもあります。現存利益を超えて課税されるかどうかの問題です。

 

平成25年10月、妻は、同処分の取消しを求め訴え提起。

東京地方裁判所平成29.6.27判決は、第二次納税義務額の一部を取り消したものの、妻の請求を棄却。

妻が控訴。

 

高等裁判所の判断

控訴棄却。


離婚に伴う財産分与も国税徴収法39条所定の「譲渡」に当たるとされています。

裁判所は、財産分与の額及び方法を定めるについては、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事
情を考慮すべきものであることは民法768条3項の規定上明らかとはしました。

また、財産分与に関し当事者の協議等が行われてその内容が具体的に確定され、これに従い金銭の支払、不動産の譲渡等の分与が完了すれば、当該財産分与の義務は消滅するが、この分与義務の消滅は、それ自体一つの経済的利益ということができるので、財産分与として不動産等の資産を譲渡した場合、分与者は、これによって、分与義務の消滅という経済的利益を享受したものというべきであるとしています。

しかるところ、財産分与が同項の規定の趣旨に反して不相当に過大である場合には、これを放置すると.その不相当に過大な部分につき、租税債権が徴収不足となる一方で、第二次納税義務者が同項の規定の趣旨に反して当該部分を保持して経済的利益を享受することとなり、納税者間の公平を失することとなるから、当該財産分与の内容や性質等に照らし、社会通念上、当該財産の分与により消滅すべき分与義務に係る債務の額は通常の取引に比べて著しく低いものであると認めることができるものと解するのが相当としました。

 

本件離婚に伴い夫が妻に対して少なくとも3000万円を超えて財産分与をすることは民法768条3項の趣旨に反して不相当に過大なものとの評価を免れないものといえるとしています。

3000万円を超える1億5801万8881円相当の部分について、国税徴収法39条の「著しく低い額の対価による譲渡」に当たるものというべきであると結論づけました。

 

財産分与であるとはいえ、適正な対価ではなかったため、妻が第二次納税義務を負うという判断です。

 

特殊関係者の基準時

次に、特殊関係者になるかどうか、その基準時の問題が検討されました。

特殊関係者かどうかで、納税義務の金額が変わるためです。特殊関係者であれば、現存利益を超えて課税されることとなります。


国税徴収法39条は、無償譲渡等に係る「処分の時」における譲渡の当事者の関係に着目し、国税徴収法施行令13条1項に列記されているような類型的に滞納者との人的関係の一体性又は親近性の特に強い者との間で無償譲渡等に係る「処分」がされた場合には、現存利益にとどめることなく、当該処分により受けた利益の全額について第二次納税義務を課すこととしたものと解されるから、国税徴収法39条に規定する「特殊関係者」に該当するか否かの判定は、当該譲渡に係る「処分の時」、すなわち当該譲渡の対象とされた財産の移転の原因行為の成立時における上記の関係の有無によって判断すべきものと解するのが相当であるとしました。

本件では、離婚の届出と引換えに本件所有権移転登記の経由が確保されるように、離婚の届出に先立ち、離婚の届書と本件登記申請の委任状の作成がされ、本件登記申請と引換えに離婚の届出がされたものということができると認定。

財産分与協議書等の合意書面が作成されておらず諸般の事情から離婚の届出と時期を同じくして財産分与の確定的な協議の成立に至ったものと認定しました。

 

本件譲渡に係る「処分の時」である本件離婚の成立時において、原告は、国税徴収法39条にいう「その処分の時にその滞納者の親族その他の特殊関係者であるとき」に該当しないとされました。

このような内容で、原審の判断が維持されています。

 

財産分与と著しく低い額の対価による譲渡

国税徴収法39条は、税金の滞納者が財産の「無償又は著しく低い額の対価による譲渡」を行ったことを要件としています。

離婚に伴う財産分与も、この無償譲渡等に該当するとされています。

裁判例では、財産分与が必要かつ合理的な理由に基づくと場合には、同条が適用されないとされていましたが、民法768条3項の趣旨に反する不相当に過大な財産分与に対しては、適用される余地を残していました。

この言い回しは、詐害行為取消権と財産分与の判例でも使われていたもの。

法39条の趣旨は、第二次納税義務を簡易迅速に実現するため詐害行為取消権を合理化したものともいわれます。

財産分与という名目で、不相当に過大な部分いついては「贈与」として「無償譲渡」に該当すると解釈されていました。

 

本件では、無償譲渡ではなく、低額譲渡という枠組みで検討されています。

財産の価額と、その対価とされる分与義務消滅益の適正額がどうかという比較がされることになります。

 

離婚時の財産分与では、このような課税がされることもありますので、頭に入れておきましょう。

 

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