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FAQ(よくある質問)

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よくある質問

 

Q.面会交流を拒絶すると監護権者になれない?

別居中の親子には面会交流が認められます。

これを不当に拒絶したり、消極的な態度をとっている場合、相手方に監護権が認められることもあります。

監護権者を誰にするかという判断の際、このような面会交流への態度もひとつの判断材料となります。

大阪高等裁判所平成30年8月2日決定を紹介します。

 

事案の概要

父から母に対し、未成年者らの監護者をいずれも父と定めるとともに、未成年者らの引渡しを求めたという事件です。

両親は、婚姻して子2人(決定時、小学校2年生と保育園児(5歳児クラス))をもうけました。

子らの出生後、平成26年3月までは母が、平成27年4月以降は父が子らの監護の大半を担っており、平成28年11月以降は専ら父が子らを監護。

母は、平成28年10月頃父に対し、別居を申し入れ、父もこれを受け入れたため、母が一人で自宅を出ていく形で別居を開始。

母は、同年12月頃から他の男性と交際を開始し、いったんは経済的事情で自宅に戻ってきたものの、その間は週3日ほ
ど男性宅に外泊するなどしており、その後、再び別居。

別居期間中は、母が週に1、2度自宅に戻って宿泊する形での面会交流が実施。

平成29年4月以降は、同様の頻度で、母宅での宿泊付面会交流が実施されていました。

父は、平成29年8月、母と子らとの面会交流時に男性も母宅に宿泊していることを知り、母に対し、暴力を振るったため、母は直ちに被害届を提出。

その翌日、母は、自宅から子らの荷物を運び出し、警察署前で父から子らの引渡しを受け、子らと男性と同居を始めました。

なお、父は、母に対し、子らを一時的に預ける意思でした。


その後、父は、同月中に以前から子らと居住することを予定していた住居に転居。しかし、母は、子らの返還及び面会交流を拒否。

母は、同年9月に男性と子らの4人で居住するための住居に転居。子も転校させています。

 

家庭裁判所の判断

母による監護状態は将来的には不安定なもので、男性との関係が解消されればたちまち行き詰まること、父には子らの監護の実績があり、監護態勢も安定していること(子らの保育園や小学校との連絡が不十分であったことなどの従前の
監護の問題点も今後は改善される可能性が高いこと)、子らにとって、父母双方との愛情深い関わりが必要不可欠であるところ、父においては、従前の実施実績に照らし、従前と同程度の内容のある宿泊付面会交流が実現される可能性が極めて高いのに対し、母においては、父子の面会交流について極めて消極的態度に終始しており、父子の面会交流が果たして円滑に実現されるか疑問が残ること等の事情を考慮し、父を子らの監護者と指定することが子の利益に合致すると判断。

母が抗告。

 

母による抗告理由

母は、

別居直前の時期も両親が共同して子らを監護していたこと、

父が子に対して暴力を振るっていること、

母は可能な限り面会交流に協力していたこと、

母と男性の関係が安定しており、仮にその関係が破綻しても、母が子らとの安定した生活を実現できること、

父が監護者になると子が短期間で再び転校しなければならない点を主張しました。

 

高等裁判所の判断

抗告棄却。

家庭裁判所の判断を尊重したというものです。


抗告人の指摘する期間中、相手方は、相手方宅で子らと同居していたのに対し、抗告人は、別居した期間は、週に1、2回の割合で相手方宅に戻って宿泊し、あるいは、基本的に、週に1、2回の割合で、各24時間よりも短い時間抗告人宅で宿泊付きで子らと過ごし、一時同居に戻った期間も、週3日程度は男性宅で外泊していたのであるから、抗告人は、上記期間中、相手方と同程度、子らの監護をしたものとはいえず、主たる監護者は相手方であったと認められるとしました。

相手方において子に対し身体的な虐待に当たるような類の暴力を振るったと認められないと指摘。

平成29年8月9日の抗告人に対する暴力を踏まえても、相手方に暴力的な傾向があるものとまでは認められないとしました。子らの学校等での行動等についても、子の保育園の頃からの行動傾向や子らの環境の変化などに鑑みれば、相手方による子に対する暴力を疑うべき事情に当たるとはいえないとしています。

 

面会交流への態度

相手方と子らの面会交流については、平成29年12月6日に原審の裁判所において試行的面会交流が行われ、平成30年2月7日に裁判所外で任意の面会交流が行われた後、2回の面会交流が実施されたにとどまり、抗告人が単独で監護を開始する以前の相手方と子らとの関係に照らせば、その回数や内容は十分なものではないといわざるを得ないと指摘。なお、抗告人は、相手方からの暴力によって生じたPTSDが面会交流の実施を困難にしている旨主張するが、原審判手続の当初は面会交流を実施するに当たっての障害として抗告人の相手方に対する恐怖心等は述べられていなかったこと、第三者を介しての子らの受渡しなど、抗告人が相手方と会うことなく面会交流を実施することが可能であることなどに鑑みれば、上記の面会交流の実施状況は、抗告人の面会交流に対する消極性を表しているものというべきであるとしています。

 

 

子については、平成30年4月に抗告人が抗告人宅を校区とする小学校への転校手続を行ったことに伴い、短期間で再び転校する必要が生ずることとなるが、そのことから直ちに、子に看過し得ない不利益が生ずることが明らかであるとまではいえないとしています。

また、相手方は、子については従前と同じ保育園に通わせる意向を有しているとも指摘。

男性との関係が今は良好でも、将来は未定として、家庭裁判所のとおり、父を監護権者としたものです。

 

監護権者と面会交流のポイント

監護者の指定や子の引渡しの判断は、子の利益に合致するかどうかを基準とします。

それまでの監護状況、父母の監護能力、生活環境、環境の変化への適応性、親子間の親和性などから比較検討されます。

その際に、面会交流の許容性という点も一つのポイントとなります。

仮に、片方を監護権者とした場合、他方の親との面会が許容されない、拒絶しているような事情があると、親子間の交流が断絶されてしまうので、そのような判断はしにくくなります。

 

今回のケースでは、感情的になって手を出してしまったと思われる父の行動によって事件化してしまっていますが、親子間の面会交流を否定するような事件ではなく、母の言動には疑問を感じます。振り回された子供はかわいそうですが、裁判所の判断が妥当といえるでしょう。

 

 

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